世界自然遺産 時を紡ぐ、彩りの島 奄美・沖縄

宿る島 西表島

  • TOP
  • 西表島の「文化」

西表島の「文化」

  • 途絶えた歴史を紐解きながら
    「パナリ土器」の復元を目指す
  • 住民たちが守り未来へ継承する
    “島の宝”新盛家住宅
  • 旅の始まりに訪れたい
    生物多様性の学び舎

神秘の島・新城島の暮らしを支えたパナリ土器

西表島の南東に位置し、歴史と伝統が息づく「神秘の島」と呼ばれている新城(あらぐすく)島。およそ200年前までこの島で焼かれていたと言われているのが「パナリ土器」です。竹富町史の新城島のページにもジュゴンの生息地と共に掲載されており、焼いた夜行貝やシャコ貝、サンゴなどを細かく砕いて、赤土と混ぜながら手びねりで成形し、野焼きで焼き上げるのが特徴です。新城島は作物が育ちにくいため、他の島に出向いてパナリ土器を穀物などと交換していた歴史があり、苦しい生活の補いとして土器が作られていました。その様子は「パナリチィチィアーミユンタ」という古謡でも唄われています。

作り手はもちろん、材料の採取地や配合などでも佇まいが異なるパナリ土器。焼成温度が高くなりすぎると、土に混ぜた貝やサンゴ片が膨脹して土器が崩れてしまうこともあります。

小さな島で受け継がれた文化を現世に蘇らせる

一度伝承が途絶えたパナリ土器は、存在していたことは明らかですが歴史や技法に確証が得られていないため、近年は「パナリ焼」ではなく「パナリ土器」と称されています。表面に紋様はなく、ぬくもりを感じる厚みと落ち着いた色合い、貝やサンゴの粒がアクセントになった素朴な佇まいは、沖縄の陶芸家・大嶺實清氏や大阪の陶芸家・西念秋夫氏など多くの芸術家や専門家を魅了しました。現在、西表島で陶芸家として活動する傍ら、パナリ土器の推定復元の研究を行っている嘉陽恵美子さんは、西念氏の西表島におけるパナリ土器再現の取り組みに同行しています。それをきっかけにパナリ土器の継承者となり、パナリ土器が新城島で作られていた当時の原料や工程を推測しながら復元作業に取り組んでいます。

パナリ土器は、窯を使わず野焼きで焼成します。地面に直接、雑木やかやなどを集めて火を起こし、じっくり低温で焼き上げます。

自然と暮らしの融合から誕生する地域文化のあり方

「パナリ土器に携わって20数年。一度途絶えてしまった文化のため、私が研究しているのはあくまで“推定復元”です。どんなに追求しても復元とは言えません」と話す嘉陽さん。ご自身が管理しているパナリ土器展示館には、当時のパナリ土器の破片や西念氏と嘉陽さんが推定復元したパナリ土器が展示されています。ライフワークとしてパナリ土器の推定復元に携わるごとに、美しさの中に秘められた新城島の人々の生活の過酷さに思いを馳せてしまうと言います。自然に人が関わることで暮らしになり、受け継がれることで文化となる―。手から手へと受け継がれるべき文化が途絶えた史実も、パナリ土器の魅力として培われていきます。

「パナリ土器は穀物の保存や煮炊き、骨壷に使われていたようです。新城の人々の生活用品の1つだったのでしょう」と語る嘉陽さん。

ビームパリ窯

  • 沖縄県八重山郡竹富町字上原324-96
  • 0980-85-6423
  • 9:00〜17:00
  • 不定休
  • 上原港(デンサーターミナル)より車で約5分
  • URL
    https://r.goope.jp/beam-doki-8/
    ※パナリ土器展示館の見学を希望される際は事前連絡をお願いします。

いにしえの時代から今に続く沖縄最古の民家「新盛家住宅」

西表島は約5000年も前から人々が生活をしていた歴史があり、島の中でも最も古い集落のひとつである祖納(そない)集落には築およそ150年という沖縄最古のかや葺き民家「新盛家(しんもりけ)住宅」が現存します。沖縄県の有形文化財に指定され、住民による管理のもと、美しい佇まいが保たれています。住民が島の宝と敬い、建築家が希少性を讃えるこの家には様々な特徴があります。垂木はマングローブ、縄はクロツグ(ヤシの一種)、礎石には造礁サンゴなど材料はすべて西表島の素材が用いられ、釘や金具などの人工物は使われていません。また、一般的な沖縄の屋敷とは逆に、客間にあたる一番座が西側に置かれていますが、これは住宅の西側が「神の道(ミリク道)」と呼ばれる集落のメインストリートに面しているためです。

テーブルサンゴを重ねた石垣や、くぎや金具類をいっさい使わない貫木屋と呼ばれる建築様式など、他に類を見ないつくりが随所に見られます。

集落の人々の思いがつなぐ沖縄県の有形文化財

新盛家住宅が文化財として指定されているのは最古の民家であることに加え、6~10年に一度、集落をあげて行われるかやの葺き替え作業も関係しています。マングローブや竹、かや束などの材料集め、クロツグやトウツルモドキの繊維を縄として整える作業、傷んだ垂木の交換、かや葺き作業までの一連の工程を住民総出で行います。会話を楽しみながら、息を合わせる作業の時はかけ声をあげ、若者が戸惑っている時は“年配の先輩”が手助けをして交流を深めます。屋根が完成すると、住民一同、家と土地の神様に祈りを捧げます。一連の修繕作業は、ベテランから若手へと修繕の知識や技術を継承する場でもあるのです。島の宝である新盛家住宅を美しく整え、次へつなぐという同じ目標に向かって150年以上も前から同じ作業を繰り返している集落の人々。時を超えたそのつながりに一種のロマンを感じます。

100年先も現存する美しい古民家を継承するために

大きなフクギの木と平らなテーブルサンゴのグシク(石垣)に囲まれた住宅は、中に入ると天井が高く、畳の下は竹がしかれているため風通しが良いのが特徴。縁側に腰掛けると心地よい風を感じられます。近くに住む染織家の石垣昭子さんは、ここを祖納集落の文化発信拠点にしたいと言います。「自然と伝統文化も、多くの方に知ってもらうことで広がり、深みが生まれます。ここで、舞踊や三線の演奏を観賞しながらお茶や食事を楽しめたら素敵でしょ。それによって文化的価値も高まると思います」。住民の憩いの場や観光客の休息スポットとして愛されてきた新盛家住宅は、地域の文化財としての役割から地域コミュニケーションの場として発展する可能性を秘めています。次の100年を見据えて、進化し続ける文化がここにありました。

150年前から変わらぬ景色の中、木戸には沖縄戦の銃弾の跡がくっきりと。「これからも島の宝として私たちが守り続けていきます」と語る石垣さん。

新盛家住宅

  • 沖縄県八重山郡竹富町字西表603
  • なし
  • なし
  • 路線バス「祖納」バス停より徒歩で約5分
  • 駐車場、トイレなし

西表島の貴重な自然や生態系を楽しみながら学べる施設

イリオモテヤマネコをはじめとした希少性の高い野生生物と、生き物たちが暮らす西表島の自然について学ぶことができる「西表野生生物保護センター」。絶滅の恐れがある野生生物の保護と調査研究を総合的に行う活動拠点としても知られています。西表島は石垣島とともに国立公園に指定されており、2021年には奄美大島、徳之島、沖縄島北部とともに世界自然遺産に登録されました。豊かな自然環境の中で、絶滅危惧種や固有種を含む多種多様な生き物と島民が共生している稀有な島であることが世界的に評価されたと言えます。野生生物保護センターは、写真や剥製標本の展示物を通して環境保全の必要性を多くの人に伝える施設。西表島に広がる森や川の大切さを感じてもらい、自然保護への意識を高めることを目的としています。

2022年にリニューアルした館内は五感で楽しめる展示もプラスされ、子どもも大人も楽しみながら学べます。

西表島を観光する前に独自の自然について予習しよう

2022年にリニューアルオープンした野生生物保護センターは、イリオモテヤマネコにまつわる知識や情報をさまざまな手法で伝えるコーナーが充実。イリオモテヤマネコのおしっこのにおいを嗅いだり、実物の毛に触ったりとユニークな体験ができます。また、イリオモテヤマネコの交通事故防止用ドライブシュミレーターが設置されており、西表島でのドライブの疑似体験もできます。展示場では西表島の環境を7つのエリアに分けて、そこに生息する希少生物を実際にある環境をモデルとした壮大な自然の壁画とともに紹介しており、希少生物の写真や剥製標本が所狭しと展示されています。西表島を巡っているとカンムリワシやホタルの仲間などセンターで見た生き物と遭遇することもあるので、 “生きた学び”を得る施設として役立っています。

写真や剥製標本が多いため生き物の全体像を把握しやすいのが魅力。トレッキングやドライブ中に生き物に遭遇した時「センターで見た!」という旅行者も多いそうです。

世界で西表島にしか生息していないイリオモテヤマネコへの思い

西表島と西表野生生物保護センターが特に力を入れているのがイリオモテヤマネコの保護に関する取り組みです。イリオモテヤマネコの生息状況把握のために臨床検査や行動調査が行われおり、旅行者も参加できる取り組みとして「目撃情報の連絡」があります。多くの人から寄せられた目撃情報をもとに毎月イリオモテヤマネコ運転注意マップを作成し、センターや島内各所に掲示されています。集めたデータを元に目撃情報が多いスポットには「ヤマネコ注意」「子ネコ出没中」といった看板やゼブラゾーンが設置されます。また、西表島が世界自然遺産に登録されたことで観光客が増えるオーバーツーリズムが心配されており、観光客の増加に伴い希少生物の保護や外来種の侵入防御などの課題が深刻化しています。そのためガイドエリアのゾーニングやガイド向けルールの策定への取り組みが地域をあげて行われており、一部のエリアで入域制限も検討されています。西表島は島の90%近くがジャングルに覆われた環境下で生物多様性が育まれ、希少生物たちが生息している貴重なエリア。島の自然を知ることで地域の歴史や文化にも深い理解を得ることができます。観光で島を訪れた際は、ぜひ西表野生生物保護センターに足を運んでみてください。

西表野生生物保護センター

  • 沖縄県八重山郡竹富町字古見
  • 0980-85-5581
  • 10:00-17:00
  • 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌火曜日が休館)
    ・6月23日(慰霊の日)・年末年始
  • 路線バス「野生生物保護センター」バス停より徒歩で約10分
  • URL
    https://iwcc.jp/
    ※ご希望に応じて詳しい解説を行っています。
    事前にHPのお問合せフォームよりご相談ください。
  • 途絶えた歴史を
    紐解きながら
    「パナリ土器」の
    復元を目指す
  • 住民たちが守り
    未来へ継承する
    “島の宝”
    新盛家住宅
  • 旅の始まりに
    訪れたい
    生物多様性の
    学び舎

神秘の島・新城島の
暮らしを支えたパナリ土器

西表島の南東に位置し、歴史と伝統が息づく「神秘の島」と呼ばれている新城(あらぐすく)島。およそ200年前までこの島で焼かれていたと言われているのが「パナリ土器」です。竹富町史の新城島のページにもジュゴンの生息地と共に掲載されており、焼いた夜行貝やシャコ貝、サンゴなどを細かく砕いて、赤土と混ぜながら手びねりで成形し、野焼きで焼き上げるのが特徴です。新城島は作物が育ちにくいため、他の島に出向いてパナリ土器を穀物などと交換していた歴史があり、苦しい生活の補いとして土器が作られていました。その様子は「パナリチィチィアーミユンタ」という古謡でも唄われています。

▲作り手はもちろん、材料の採取地や配合などでも佇まいが異なるパナリ土器。焼成温度が高くなりすぎると、土に混ぜた貝やサンゴ片が膨脹して土器が崩れてしまうこともあります。

小さな島で受け継がれた
文化を現世に蘇らせる

一度伝承が途絶えたパナリ土器は、存在していたことは明らかですが歴史や技法に確証が得られていないため、近年は「パナリ焼」ではなく「パナリ土器」と称されています。表面に紋様はなく、ぬくもりを感じる厚みと落ち着いた色合い、貝やサンゴの粒がアクセントになった素朴な佇まいは、沖縄の陶芸家・大嶺實清氏や大阪の陶芸家・西念秋夫氏など多くの芸術家や専門家を魅了しました。

現在、西表島で陶芸家として活動する傍ら、パナリ土器の推定復元の研究を行っている嘉陽恵美子さんは、西念氏の西表島におけるパナリ土器再現の取り組みに同行しています。それをきっかけにパナリ土器の継承者となり、パナリ土器が新城島で作られていた当時の原料や工程を推測しながら復元作業に取り組んでいます。

◀︎パナリ土器は、窯を使わず野焼きで焼成します。地面に直接、雑木やかやなどを集めて火を起こし、じっくり低温で焼き上げます。

自然と暮らしの融合から
誕生する地域文化のあり方

「パナリ土器に携わって20数年。一度途絶えてしまった文化のため、私が研究しているのはあくまで“推定復元”です。どんなに追求しても復元とは言えません」と話す嘉陽さん。ご自身が管理しているパナリ土器展示館には、当時のパナリ土器の破片や西念氏と嘉陽さんが推定復元したパナリ土器が展示されています。ライフワークとしてパナリ土器の推定復元に携わるごとに、美しさの中に秘められた新城島の人々の生活の過酷さに思いを馳せてしまうと言います。自然に人が関わることで暮らしになり、受け継がれることで文化となる―。手から手へと受け継がれるべき文化が途絶えた史実も、パナリ土器の魅力として培われていきます。

◀︎「パナリ土器は穀物の保存や煮炊き、骨壷に使われていたようです。新城の人々の生活用品の1つだったのでしょう」と語る嘉陽さん。

ビームパリ窯

  • 沖縄県八重山郡竹富町字上原324-96
  • 0980-85-6423
  • 9:00〜17:00
  • 不定休
  • 上原港(デンサーターミナル)より
    車で約5分
  • URL
    https://r.goope.jp/beam-doki-8/
    ※パナリ土器展示館の見学を希望される際は事前連絡をお願いします。

いにしえの時代から今に続く
沖縄最古の民家「新盛家住宅」

西表島は約5000年も前から人々が生活をしていた歴史があり、島の中でも最も古い集落のひとつである祖納(そない)集落には築およそ150年という沖縄最古のかや葺き民家「新盛家(しんもりけ)住宅」が現存します。沖縄県の有形文化財に指定され、住民による管理のもと、美しい佇まいが保たれています。住民が島の宝と敬い、建築家が希少性を讃えるこの家には様々な特徴があります。垂木はマングローブ、縄はクロツグ(ヤシの一種)、礎石には造礁サンゴなど材料はすべて西表島の素材が用いられ、釘や金具などの人工物は使われていません。また、一般的な沖縄の屋敷とは逆に、客間にあたる一番座が西側に置かれていますが、これは住宅の西側が「神の道(ミリク道)」と呼ばれる集落のメインストリートに面しているためです。

▲テーブルサンゴを重ねた石垣や、くぎや金具類をいっさい使わない貫木屋と呼ばれる建築様式など、他に類を見ないつくりが随所に見られます。

集落の人々の思いがつなぐ
沖縄県の有形文化財

新盛家住宅が文化財として指定されているのは最古の民家であることに加え、6~10年に一度、集落をあげて行われるかやの葺き替え作業も関係しています。マングローブや竹、かや束などの材料集め、クロツグやトウツルモドキの繊維を縄として整える作業、傷んだ垂木の交換、かや葺き作業までの一連の工程を住民総出で行います。会話を楽しみながら、息を合わせる作業の時はかけ声をあげ、若者が戸惑っている時は“年配の先輩”が手助けをして交流を深めます。

屋根が完成すると、住民一同、家と土地の神様に祈りを捧げます。一連の修繕作業は、ベテランから若手へと修繕の知識や技術を継承する場でもあるのです。島の宝である新盛家住宅を美しく整え、次へつなぐという同じ目標に向かって150年以上も前から同じ作業を繰り返している集落の人々。時を超えたそのつながりに一種のロマンを感じます。

100年先も現存する
美しい古民家を継承するために

大きなフクギの木と平らなテーブルサンゴのグシク(石垣)に囲まれた住宅は、中に入ると天井が高く、畳の下は竹がしかれているため風通しが良いのが特徴。縁側に腰掛けると心地よい風を感じられます。近くに住む染織家の石垣昭子さんは、ここを祖納集落の文化発信拠点にしたいと言います。「自然と伝統文化も、多くの方に知ってもらうことで広がり、深みが生まれます。ここで、舞踊や三線の演奏を観賞しながらお茶や食事を楽しめたら素敵でしょ。それによって文化的価値も高まると思います」。

住民の憩いの場や観光客の休息スポットとして愛されてきた新盛家住宅は、地域の文化財としての役割から地域コミュニケーションの場として発展する可能性を秘めています。次の100年を見据えて、進化し続ける文化がここにありました。

▲150年前から変わらぬ景色の中、木戸には沖縄戦の銃弾の跡がくっきりと。「これからも島の宝として私たちが守り続けていきます」と語る石垣さん。

新盛家住宅

  • 沖縄県八重山郡竹富町字西表603
  • なし
  • なし
  • 路線バス「祖納」バス停より徒歩で約5分
  • 駐車場、トイレなし

西表島の貴重な自然や生態系を
楽しみながら学べる施設

イリオモテヤマネコをはじめとした希少性の高い野生生物と、生き物たちが暮らす西表島の自然について学ぶことができる「西表野生生物保護センター」。絶滅の恐れがある野生生物の保護と調査研究を総合的に行う活動拠点としても知られています。西表島は石垣島とともに国立公園に指定されており、2021年には奄美大島、徳之島、沖縄島北部とともに世界自然遺産に登録されました。豊かな自然環境の中で、絶滅危惧種や固有種を含む多種多様な生き物と島民が共生している稀有な島であることが世界的に評価されたと言えます。野生生物保護センターは、写真や剥製標本の展示物を通して環境保全の必要性を多くの人に伝える施設。西表島に広がる森や川の大切さを感じてもらい、自然保護への意識を高めることを目的としています。

▲2022年にリニューアルした館内は五感で楽しめる展示もプラスされ、子どもも大人も楽しみながら学べます。

西表島を観光する前に
独自の自然について予習しよう

2022年にリニューアルオープンした野生生物保護センターは、イリオモテヤマネコにまつわる知識や情報をさまざまな手法で伝えるコーナーが充実。イリオモテヤマネコのおしっこのにおいを嗅いだり、実物の毛に触ったりとユニークな体験ができます。また、イリオモテヤマネコの交通事故防止用ドライブシュミレーターが設置されており、西表島でのドライブの疑似体験もできます。展示場では西表島の環境を7つのエリアに分けて、そこに生息する希少生物を実際にある環境をモデルとした壮大な自然の壁画とともに紹介しており、希少生物の写真や剥製標本が所狭しと展示されています。西表島を巡っているとカンムリワシやホタルの仲間などセンターで見た生き物と遭遇することもあるので、 “生きた学び”を得る施設として役立っています。

▲写真や剥製標本が多いため生き物の全体像を把握しやすいのが魅力。トレッキングやドライブ中に生き物に遭遇した時「センターで見た!」という旅行者も多いそうです。

世界で西表島にしか生息していない
イリオモテヤマネコへの思い

西表島と西表野生生物保護センターが特に力を入れているのがイリオモテヤマネコの保護に関する取り組みです。イリオモテヤマネコの生息状況把握のために臨床検査や行動調査が行われおり、旅行者も参加できる取り組みとして「目撃情報の連絡」があります。多くの人から寄せられた目撃情報をもとに毎月イリオモテヤマネコ運転注意マップを作成し、センターや島内各所に掲示されています。集めたデータを元に目撃情報が多いスポットには「ヤマネコ注意」「子ネコ出没中」といった看板やゼブラゾーンが設置されます。

また、西表島が世界自然遺産に登録されたことで観光客が増えるオーバーツーリズムが心配されており、観光客の増加に伴い希少生物の保護や外来種の侵入防御などの課題が深刻化しています。そのためガイドエリアのゾーニングやガイド向けルールの策定への取り組みが地域をあげて行われており、一部のエリアで入域制限も検討されています。西表島は島の90%近くがジャングルに覆われた環境下で生物多様性が育まれ、希少生物たちが生息している貴重なエリア。島の自然を知ることで地域の歴史や文化にも深い理解を得ることができます。観光で島を訪れた際は、ぜひ西表野生生物保護センターに足を運んでみてください。

西表野生生物保護センター

  • 沖縄県八重山郡竹富町字古見
  • 0980-85-5581
  • 10:00-17:00
  • 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌火曜日が休館)
    ・6月23日(慰霊の日)・年末年始
  • 路線バス「野生生物保護センター」バス停より徒歩で約10分
  • URL
    https://iwcc.jp/
    ※ご希望に応じて詳しい解説を行っています。
    事前にHPのお問合せフォームよりご相談ください。

その他エリアの 「文化」

奄美大島
奄美大島
徳之島
徳之島
沖縄島北部
沖縄島北部