世界自然遺産 時を紡ぐ、彩りの島 奄美・沖縄

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奄美大島の「体験」

  • 海の生きものの多様性に驚く
    ボートシュノーケリング
  • 自然がもつパワーを感じる
    天然染色技法の泥染め
  • 手付かずの国直集落で
    島人と語らい歩く
  • フナンギョの滝で鑑賞する
    島人の誇りであるシマ唄
  • 人と自然の共生を目指す
    体験型ミュージアム

珊瑚の楽園で育まれる希少な海の生きものたち

太平洋と東シナ海に囲まれた奄美大島では、眩いばかりの白い砂浜に、奄美ブルーと言われる透き通った海が広がり、背後に緑豊かな山々がそびえています。亜熱帯海洋性の気候で温暖多雨の特徴があり、年間の日照時間が日本一短い島といわれるほどの有数な多雨地帯であり、豊富な雨が大地を潤します。海には奄美大島の森を含む山々の栄養分が流れ込むため珊瑚礁には、200種類以上の多様な海洋生物が生息しています。

夫婦でガイドを務める栄かなこさん(左)と、栄隆介さん(右)。自然・文化について深い知識を有しているのはもちろんのこと、とっても気さくなお二人。

海洋生物の多様性に触れるボートシュノーケリング

いざ、シュノーケルボートから煌めく水面へダイブすると、ミドリイシをはじめとする美しい珊瑚や、テーブル珊瑚、枝珊瑚などが織りなす絶景が広がっています。奄美大島の北部に位置する笠利町・ウッタバル(打田原)のスポットは、アマミスズメダイ、カクレクマノミ、デバスズメダイの群れなど希少な魚たちを観察できます。島には、その日の海のコンディション次第で変更できるほどスポットがあるそうで、崖状になっているポイントではウミガメと一緒に泳ぐこともできるとか。ガイドの栄かなこさんが「奄美大島は集落の目の前に珊瑚礁が残っているほど、自然との距離が近いんです」と語るように、人と自然が共存するからこそ守られる多様な海洋生物を楽しめます。

水深2〜3mほどの浅瀬に広がる枝珊瑚にはカラフルな熱帯魚が数多く息づいています。フィンやシュノーケルなど水着以外の道具もレンタルで借りられます。

SUPで体感する秘境・コウトリビーチ

奄美群島認定エコツアーガイドの資格を有するプロフェッショナルな西さんが、次に案内してくれるのは、秘境のコウトリビーチ。船でしか行けないスポットでは、無人島に上陸したようなワクワク感と手付かずの大自然を肌で感じられます。ここでは、ボードとパドルを駆使して水面を自由自在に散策するアクティビティのSUPを、ぜひ満喫してみてください。サーフボードよりサイズが大きく浮力があるので誰でも安心して楽しめ、ひとたび乗ってしまえば、透明感抜群の水面とボードの境界線がなくなり、まるで浮いているように錯覚してしまう“新感覚”が楽しめます。

東シナ海側の湾内にある秘境・コウトリビーチでは、SUP、シュノーケリング、円弧型の白い砂浜でビーチコーミングなど思い思いのひとときを堪能できます。

ON SHORE(オンショア) ボートシュノーケル&コウトリビーチ上陸ツアー

  • 鹿児島県大島郡龍郷町大勝2205-15
  • 090-7907-4110
  • 8:00〜20:00
  • 不定休
  • 集合場所「芦徳漁港」まで奄美空港より車で約15分
  • URL
    https://www.amamionshore.com/

1300年余りの歴史を誇る奄美の伝統文化

お気に入りの洋服を洗濯するように、素材色そのものを自由に変えられたら、もっと愛着が湧くはず。アップサイクルやサスティナブルな取り組みが見直されている昨今、日本が誇る手仕事のひとつ「泥染め」が注目を集めています。歴史は古く、奄美大島の伝統工芸品の大島紬で織られる糸からはじまり、1300年余りも大切に継がれてきた世界唯一の伝統技法です。島の方言でテーチ木と呼ばれるシャリンバイをチップ状に砕き染料として煮出すことからスタートし、煮汁で生地を褐色へと染め、洗い流し、泥田で揉み込み、鉄分と化学変化させることで朱色から黒へと染色されます。80~100回ほど繰り返し手間ひまをかけることで、大島紬で使われるような深い黒色へと染めあがっていきます。

龍郷町にたたずむ染色工房『金井工芸』では、熟練の手捌きが美しい職人から黙々と修行に励む若い方まで、活気に満ちた環境で作業が進められています。右は2代目の金井志人さん。

自然が生む、おおらかな偶然性を愉しむ

この染色技法を教えてくれるのは、龍郷町に工房『金井工芸』を構える染色人・金井志人さん。家業として大島紬の原料(絹)を泥染めする仕事を担いながら、作家としても国内外で活躍しています。金井さん曰く、「泥染めは他の草木染めと比べて、いろいろな色が生まれる“振り幅”がある技法」。発色具合を見極め、染料の濃度をブレンドしていく手仕事から生まれる逸品は、自然の偶然性が生み出す美しいムラと柔らかな風合いが特徴です。

染色体験をするために必要なものは、素材を除き一式用意されているので、手ぶらで体験できます。

好奇心に任せて染めることをよしとする大人の実験場

テキスタイルサンプルを参考に、さまざまな絞り方を提案してくれるだけでなく、ゼロから順を追って教えてくれます。職人たちが作業をする活気ある工房で実際に体験できるのが『金井工芸』での醍醐味。実際に出来上がった一枚は、絞り方や揉み込むときの力加減が独特の表情を生み出し、同じものがひとつと存在しないアートピースに。さらに「こんなモノも染めていいの? というくらい実験的な場所にしたいです」と語るように、洋服だけでなくいろいろな素材の持ち込みがOK。亜熱帯の植物に囲まれた風景を横目に泥色に染まった手を見れば、大人のためのテーマパークのような場所になるでしょう。

工房の隣で運営するギャラリー。草木染め・泥染めされた洋服や一点ものがずらりと並びます。
感覚で素材の状態を確かめるため素手で作業を行います。そのため、手も同時に染まっていきます。

有限会社 金井工芸 〜泥染め体験〜

  • 鹿児島県大島郡龍郷町戸口2205-1
  • 0997-62-3428
  • 10:00〜17:00
  • 日曜日
  • 奄美空港より車で約30分
  • URL
    http://www.kanaikougei.com/
    ※染色体験については金井工芸に直接お問合せください。

知る人ぞ知る、原風景が残る大和村国直集落へ

珊瑚がひしめくエメラルドグリーンの海、青々としたフクギ並木や浜辺に自生するアダン林。ファンタジーの世界に飛び込んだような美しい景色にうっとりするもつかの間、少し離れた場所には、NHK大河ドラマ・西郷どんのロケ地である「宮古崎」や奄美群島最高峰の湯湾岳などダイナミックな景観が広がります。島の西岸に位置する大和村国直集落は、「世界自然遺産奄美トレイル」コースとして認定され、今もなお自然の原風景が残る小さな集落です。シマ(集落)ごとに方言も違えば育まれた文化も違いますが、国直は半農半漁の集落として、およそ110名の住民が暮らしています。

ガイドの中村修さんは、大和村の役場職員を勤めたのち、地元の豊かさを後世に残すためにガイドの道へ。国直集落の魅力を余すことなく説明してくれます。

むかしと変わらず今も人々は海と共に暮らしている

海との関わりが深く、漁師でなくとも子供から女性まで自分たちで海の恵みを獲り、消費するのが日常。「タコ捕り名人の叔父は作業着のまま海に入って捕まえてくるんだよ」と、ガイドの中村修さんが教えてくれるように、潜れば魚を中心に伊勢エビやモズク、浅瀬ではマガキガイ(テラジャ)やアオサなど豊かな生態系が広がっています。白砂が美しい国直海岸は、アオウミガメが産卵するスポットとしても有名で、産卵シーズンの夏はその姿を観察できることもあります。

集合場所の『民宿・喫茶工房てるぼーず』からほどなくして、圧巻のフクギ並木や米俵を120個ほど収納できる「高倉」などがあり、見どころ満載。

ゆらう、わかちあう、国直集落の暮らし

「国直ブラ歩きツアー」では、青壮年団や老人クラブなどのメンバーが実際に集落を案内しながら、日々の営みを紹介してくれます。例えば屋敷林として植えられたフクギ並木は、集落を火事や台風から守ってきたことや、夕暮れには誰からともなく海岸に“ゆらう”(集う)こと。「こんなことがあったよ」と日々の出来事を話し、お酒を飲みながら、ご馳走をみんなでわかちあう。アクティビティがあるような観光地ではないけれど、その地に溶け込む文化を体験できるのがこのツアーの醍醐味。自然への敬意と人々の思いやりが満ちた島人(しまんちゅ)の暮らしを一緒に感じてみませんか。

土俵では五穀豊穣に感謝する島の習わし「クガツクンチ豊年祭」という伝統行事が行われます。奉納相撲、仮装行列、余興、最後は八月踊りで締めます。

NPO法人 TAMASU 国直集落ブラ歩きツアー

  • 鹿児島県大島郡大和村国直85番1
  • 0997-57-2828
  • 10:00〜12:30
  • 不定休(※雨天中止)
  • 奄美空港より車で約60分
  • URL
    https://amami.org/
    ※ツアー参加者は予約後「喫茶工房てるぼーず」に集合。

島人の暮らしに寄り添うシマ唄

奄美大島では琉球王朝や薩摩藩と密接に関わる暮らしのなか、島人たちの生き様や想いを唄にのせることで生まれた伝統民謡「シマ唄」があります。はじまりこそ文献上で記録はされていませんが、夕方になると木陰へ集い、男性と女性が和歌のように掛け合いをする“唄遊び”をはじめ、伝統行事やお祝いごと、冠婚葬祭などさまざまな場面ごとに独自の唄が歌い継がれ心の拠り所として大切にされています。奄美大島において“シマ”とは生まれ育った集落のことを指しています。そのため島内でシマ(集落)ごとに言葉や節回しが違うのも特徴です。

昔、林業が盛んだった奄美市住用町では、舟を作るための木を切り出しに行く所であったことから「フナンギョ(舟行)の滝」と呼ばれるように。今では人気の景勝地です。
わきに亜熱帯の植物が茂る林道は、森林浴さながらの自然散策が楽しめるほか、そばにはテナガエビ(タナガ)や絶滅危惧種のリュウキュウアユなどが生息する「川内川」が流れています。

手つかずの大自然に癒されながら鑑賞する音の世界

「楽譜や歌詞カードもなく、ブルースやカントリーミュージックのように即興で自分の感情を表現するので、ひとつの曲に歌詞が何千通りもあるんです」。そう言葉を紡ぐ、唄者(うたしゃ)の米田みのりさんにガイドしてもらい向かうのは、奄美市住用町にある「フナンギョの滝」。車から降りてヒカゲヘゴやクワズイモなど亜熱帯の植物が生い茂る林道を15分ほど歩けば到着します。森林に囲まれた手つかずの大自然のなか、かつては信仰の滝として崇められ、ノロの巫女が滝修行に訪れたところでもあったこの場所。マイナスイオンを浴びながら聴く心地いいメロディーは圧巻です。伝わってくるメッセージはもちろんのこと、民謡では禁じ手として避けられる裏声を多用することで生まれる広い音域を楽しめます。島内では唄(歌詞)を勉強すれば、学問の半分はしたのも同然という意味の「唄半学」という言葉があるんだとか。後世に残していくため、シマ唄の普及活動に取り組む唄者さんも多くいらっしゃいます。ホテルへ戻っても、はじめて生で聴いたヨイスラ節が頭から離れません。

晴れた日に大自然のなかでシマ唄の独特の世界を鑑賞すれば、惹き込まれること間違いなし。

スローガイド奄美 ~奄美シマ唄ツアー~

  • 鹿児島県奄美市住用町摺勝555-13 わだつみ館
  • 090-7288-5980
  • 9:00〜18:00
  • 不定休
  • ツアー内容で集合場所が異なるため、事前にお問い合わせください。
  • URL
    https://www.amami-guide.com/

世界中で奄美群島でしか出会えない、“生きた化石”アマミノクロウサギ

短い耳と手足、茶色や黒褐色の毛で覆われた丸みのあるがっしりとした体型。いわゆるウサギの姿形とは全く異なるユニークな姿のアマミノクロウサギは、奄美大島と徳之島にだけ生息する遺存固有種です。太古の昔に大陸から離れて孤立したことで、島に守られ独自の進化を遂げたアマミノクロウサギは、島の人々にとって大切な存在。

2025年4月には、アマミノクロウサギの保護研究を目的とし、体験型の展示を通して生態や人との共生について楽しく学べる『アマミノクロウサギミュージアムQuru Guru(くるぐる)』が誕生しました。

一時は森林伐採や外来種の捕食による被害、交通事故などで個体数が激減しましたが、現在は様々な保護対策が進められ、個体数も数千単位から1万~4万ほどまで回復。なかでも、2024年に天敵である外来種のマングースを根絶したことが大きな要因となっています。

▲クワズイモの葉陰で休む野生のアマミノクロウサギ。(ナイトツアーにて撮影)
▲案内人は、環境保全や教育プログラムのエキスパートである立山芳輝さん。どんぐりの形をしたライトと、アマミノクロウサギをかたどった入口をくぐると、様々な体験ができる展示が始まります。

様々な仕掛けでアマミノクロウサギの生活を体感

アマミノクロウサギが進化の形を大きく変えずに生き続けてこられたのは、島の環境が長い間、彼らを守ってきたからだと言われています。入ってすぐにある「くるぐるひろば」では、映像や音声、書籍など様々なコンテンツで太古からの人との関わりを知ることができます。

「くるぐるの森」では、アマミノクロウサギの目線で夜の森を疑似体験。夜間に活動する多種多様な生き物との共存をはじめ、天敵のノネコや人間がもたらすロードキル問題など、リアルな現実を知るきっかけが仕掛けられています。

なんといっても一番の見どころは、実際にアマミノクロウサギに出合えるということ。屋外飼育場の「ひるにわ」では、世界ではじめて巣穴の中にカメラを常設。前足の力が強く爪が発達しているアマミノクロウサギは、奥行き2メートルもの巣穴を掘るのだそう。貴重な巣の中の様子や、子育て中の親子の写真展示に、つい見入ってしまいます。

一方、屋内飼育場の「よるにわ」では昼夜逆転した環境を作り出し、夜間の活発な姿を間近で観察できます。リラックスして活動する様子をゆっくりと見られる貴重な体験。1日を通してアマミノクロウサギの暮らしを体感できるため、生態への理解がぐっと深まります。

▲住処となる森づくりはスタッフみんなで作り上げたそう。好物の植物も欠かせません。

アマミノクロウサギの保全と共存の拠点となることを願って

施設名「くるぐる」には、2つの意味が込められています。ひとつは奄美の方言で「黒々とした」という意味で、アマミノクロウサギの毛色にちなんだもの。もうひとつは、命がぐるぐると循環し、過去から未来へとつながっていく自然の営みを表しています。

実は、ミュージアムで飼育されているアマミノクロウサギは、交通事故などでケガをして保護された個体です。

「この施設を通して一番伝えたいのは、“人と自然との共生”です」と、立山さんは語ります。

アマミノクロウサギをはじめ、奄美大島の自然を守るために、私たち一人ひとりができることは少なくありません。このミュージアムは、楽しみながら学べるだけでなく、未来へ希望と可能性をつなげてくれる場所でした。

▲ 施設内にあるミュージアムショップやカフェの売り上げは、アマミノクロウサギの治療や施設運営に活用され、保護活動の支援にもつながります。

アマミノクロウサギミュージアムQuru Guru(くるぐる)

  • 〒894-3104 鹿児島県大島郡大和村思勝502-1
  • 0997-57-1196
  • 9:30〜16:30(最終入館16:00)
  • 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
  • 奄美空港より車で約1時間20分
  • URL
    https://www.vill.yamato.lg.jp/quruguru/
  • 海の生きものの多様性に驚く
    ボートシュノーケリング
  • 自然がもつパワーを感じる
    天然染色技法の泥染め
  • 手付かずの国直集落で
    島人と語らい歩く
  • フナンギョの滝で鑑賞する
    島人の誇りであるシマ唄
  • 人と自然の共生を目指す
    体験型ミュージアム

珊瑚の楽園で育まれる
希少な海の生きものたち

太平洋と東シナ海に囲まれた奄美大島では、眩いばかりの白い砂浜に、奄美ブルーと言われる透き通った海が広がり、背後に緑豊かな山々がそびえています。亜熱帯海洋性の気候で温暖多雨の特徴があり、年間の日照時間が日本一短い島といわれるほどの有数な多雨地帯であり、豊富な雨が大地を潤します。海には奄美大島の森を含む山々の栄養分が流れ込むため珊瑚礁には、200種類以上の多様な海洋生物が生息しています。

◀︎夫婦でガイドを務める栄かなこさん(左)と、栄隆介さん(右)。自然・文化について深い知識を有しているのはもちろんのこと、とっても気さくなお二人。

海洋生物の多様性に触れる
ボートシュノーケリング

いざ、シュノーケルボートから煌めく水面へダイブすると、ミドリイシをはじめとする美しい珊瑚や、テーブル珊瑚、枝珊瑚などが織りなす絶景が広がっています。奄美大島の北部に位置する笠利町・ウッタバル(打田原)のスポットは、アマミスズメダイ、カクレクマノミ、デバスズメダイの群れなど希少な魚たちを観察できます。

島には、その日の海のコンディション次第で変更できるほどスポットがあるそうで、崖状になっているポイントではウミガメと一緒に泳ぐこともできるとか。ガイドの栄かなこさんが「奄美大島は集落の目の前に珊瑚礁が残っているほど、自然との距離が近いんです」と語るように、人と自然が共存するからこそ守られる多様な海洋生物を楽しめます。

▲水深2〜3mほどの浅瀬に広がる枝珊瑚にはカラフルな熱帯魚が数多く息づいています。フィンやシュノーケルなど水着以外の道具もレンタルで借りられます。

SUPで体感する
秘境・コウトリビーチ

奄美群島認定エコツアーガイドの資格を有するプロフェッショナルな西さんが、次に案内してくれるのは、秘境のコウトリビーチ。船でしか行けないスポットでは、無人島に上陸したようなワクワク感と手付かずの大自然を肌で感じられます。ここでは、ボードとパドルを駆使して水面を自由自在に散策するアクティビティのSUPを、ぜひ満喫してみてください。サーフボードよりサイズが大きく浮力があるので誰でも安心して楽しめ、ひとたび乗ってしまえば、透明感抜群の水面とボードの境界線がなくなり、まるで浮いているように錯覚してしまう“新感覚”が楽しめます。

▲東シナ海側の湾内にある秘境・コウトリビーチでは、SUP、シュノーケリング、円弧型の白い砂浜でビーチコーミングなど思い思いのひとときを堪能できます。

ON SHORE(オンショア)
ボートシュノーケル&
コウトリビーチ上陸ツアー

  • 鹿児島県大島郡龍郷町大勝2205-15
  • 090-7907-4110
  • 8:00〜20:00
  • 不定休
  • 集合場所「芦徳漁港」まで奄美空港より車で約15分
  • URL
    https://www.amamionshore.com/

1300年余りの歴史を誇る
奄美の伝統文化

お気に入りの洋服を洗濯するように、素材色そのものを自由に変えられたら、もっと愛着が湧くはず。アップサイクルやサスティナブルな取り組みが見直されている昨今、日本が誇る手仕事のひとつ「泥染め」が注目を集めています。歴史は古く、奄美大島の伝統工芸品の大島紬で織られる糸からはじまり、1300年余りも大切に継がれてきた世界唯一の伝統技法です。

島の方言でテーチ木と呼ばれるシャリンバイをチップ状に砕き染料として煮出すことからスタートし、煮汁で生地を褐色へと染め、洗い流し、泥田で揉み込み、鉄分と化学変化させることで朱色から黒へと染色されます。80~100回ほど繰り返し手間ひまをかけることで、大島紬で使われるような深い黒色へと染めあがっていきます。

◀︎龍郷町にたたずむ染色工房『金井工芸』では、熟練の手捌きが美しい職人から黙々と修行に励む若い方まで、活気に満ちた環境で作業が進められています。右は2代目の金井志人さん。

自然が生む、おおらかな
偶然性を愉しむ

この染色技法を教えてくれるのは、龍郷町に工房『金井工芸』を構える染色人・金井志人さん。家業として大島紬の原料(絹)を泥染めする仕事を担いながら、作家としても国内外で活躍しています。金井さん曰く、「泥染めは他の草木染めと比べて、いろいろな色が生まれる“振り幅”がある技法」。発色具合を見極め、染料の濃度をブレンドしていく手仕事から生まれる逸品は、自然の偶然性が生み出す美しいムラと柔らかな風合いが特徴です。

◀︎染色体験をするために必要なものは、素材を除き一式用意されているので、手ぶらで体験できます。

好奇心に任せて染めることを
よしとする大人の実験場

テキスタイルサンプルを参考に、さまざまな絞り方を提案してくれるだけでなく、ゼロから順を追って教えてくれます。職人たちが作業をする活気ある工房で実際に体験できるのが『金井工芸』での醍醐味。実際に出来上がった一枚は、絞り方や揉み込むときの力加減が独特の表情を生み出し、同じものがひとつと存在しないアートピースに。さらに「こんなモノも染めていいの? というくらい実験的な場所にしたいです」と語るように、洋服だけでなくいろいろな素材の持ち込みがOK。亜熱帯の植物に囲まれた風景を横目に泥色に染まった手を見れば、大人のためのテーマパークのような場所になるでしょう。

▲工房の隣で運営するギャラリー。草木染め・泥染めされた洋服や一点ものがずらりと並びます。
◀︎感覚で素材の状態を確かめるため素手で作業を行います。そのため、手も同時に染まっていきます。

有限会社 金井工芸
〜泥染め体験〜

  • 鹿児島県大島郡龍郷町戸口2205-1
  • 0997-62-3428
  • 10:00〜17:00
  • 日曜日
  • 奄美空港より車で約30分
  • URL
    http://www.kanaikougei.com/
  • ※染色体験については金井工芸に直接お問合せください。

知る人ぞ知る、原風景が残る
大和村国直集落へ

珊瑚がひしめくエメラルドグリーンの海、青々としたフクギ並木や浜辺に自生するアダン林。ファンタジーの世界に飛び込んだような美しい景色にうっとりするもつかの間、少し離れた場所には、NHK大河ドラマ・西郷どんのロケ地である「宮古崎」や奄美群島最高峰の湯湾岳などダイナミックな景観が広がります。

島の西岸に位置する大和村国直集落は、「世界自然遺産奄美トレイル」コースとして認定され、今もなお自然の原風景が残る小さな集落です。シマ(集落)ごとに方言も違えば育まれた文化も違いますが、国直は半農半漁の集落として、およそ110名の住民が暮らしています。

◀︎ガイドの中村修さんは、大和村の役場職員を勤めたのち、地元の豊かさを後世に残すためにガイドの道へ。国直集落の魅力を余すことなく説明してくれます。

むかしと変わらず
今も人々は海と共に暮らしている

海との関わりが深く、漁師でなくとも子供から女性まで自分たちで海の恵みを獲り、消費するのが日常。「タコ捕り名人の叔父は作業着のまま海に入って捕まえてくるんだよ」と、ガイドの中村修さんが教えてくれるように、潜れば魚を中心に伊勢エビやモズク、浅瀬ではマガキガイ(テラジャ)やアオサなど豊かな生態系が広がっています。白砂が美しい国直海岸は、アオウミガメが産卵するスポットとしても有名で、産卵シーズンの夏はその姿を観察できることもあります。

▲集合場所の『民宿・喫茶工房てるぼーず』からほどなくして、圧巻のフクギ並木や米俵を120個ほど収納できる「高倉」などがあり、見どころ満載。

ゆらう、わかちあう、
国直集落の暮らし

「国直ブラ歩きツアー」では、青壮年団や老人クラブなどのメンバーが実際に集落を案内しながら、日々の営みを紹介してくれます。例えば屋敷林として植えられたフクギ並木は、集落を火事や台風から守ってきたことや、夕暮れには誰からともなく海岸に“ゆらう”(集う)こと。「こんなことがあったよ」と日々の出来事を話し、お酒を飲みながら、ご馳走をみんなでわかちあう。アクティビティがあるような観光地ではないけれど、その地に溶け込む文化を体験できるのがこのツアーの醍醐味。自然への敬意と人々の思いやりが満ちた島人(しまんちゅ)の暮らしを一緒に感じてみませんか。

▲土俵では五穀豊穣に感謝する島の習わし「クガツクンチ豊年祭」という伝統行事が行われます。奉納相撲、仮装行列、余興、最後は八月踊りで締めます。

NPO法人 TAMASU
国直集落ブラ歩きツアー

  • 鹿児島県大島郡大和村国直85番1
  • 0997-57-2828
  • 10:00〜12:30
  • 不定休(※雨天中止)
  • 奄美空港より車で約60分
  • URL
    https://amami.org/
  • ※ツアー参加者は予約後「喫茶工房てるぼーず」に集合。

島人の暮らしに
寄り添うシマ唄

奄美大島では琉球王朝や薩摩藩と密接に関わる暮らしのなか、島人たちの生き様や想いを唄にのせることで生まれた伝統民謡「シマ唄」があります。はじまりこそ文献上で記録はされていませんが、夕方になると木陰へ集い、男性と女性が和歌のように掛け合いをする“唄遊び”をはじめ、伝統行事やお祝いごと、冠婚葬祭などさまざまな場面ごとに独自の唄が歌い継がれ心の拠り所として大切にされています。奄美大島において“シマ”とは生まれ育った集落のことを指しています。そのため島内でシマ(集落)ごとに言葉や節回しが違うのも特徴です。

◀︎昔、林業が盛んだった奄美市住用町では、舟を作るための木を切り出しに行く所であったことから「フナンギョ(舟行)の滝」と呼ばれるように。今では人気の景勝地です。
▲わきに亜熱帯の植物が茂る林道は、森林浴さながらの自然散策が楽しめるほか、そばにはテナガエビ(タナガ)や絶滅危惧種のリュウキュウアユなどが生息する「川内川」が流れています。

手つかずの大自然に癒されながら
鑑賞する音の世界

「楽譜や歌詞カードもなく、ブルースやカントリーミュージックのように即興で自分の感情を表現するので、ひとつの曲に歌詞が何千通りもあるんです」。そう言葉を紡ぐ、唄者(うたしゃ)の米田みのりさんにガイドしてもらい向かうのは、奄美市住用町にある「フナンギョの滝」。車から降りてヒカゲヘゴやクワズイモなど亜熱帯の植物が生い茂る林道を15分ほど歩けば到着します。森林に囲まれた手つかずの大自然のなか、かつては信仰の滝として崇められ、ノロの巫女が滝修行に訪れたところでもあったこの場所。

マイナスイオンを浴びながら聴く心地いいメロディーは圧巻です。伝わってくるメッセージはもちろんのこと、民謡では禁じ手として避けられる裏声を多用することで生まれる広い音域を楽しめます。島内では唄(歌詞)を勉強すれば、学問の半分はしたのも同然という意味の「唄半学」という言葉があるんだとか。後世に残していくため、シマ唄の普及活動に取り組む唄者さんも多くいらっしゃいます。ホテルへ戻っても、はじめて生で聴いたヨイスラ節が頭から離れません。

◀︎晴れた日に大自然のなかでシマ唄の独特の世界を鑑賞すれば、惹き込まれること間違いなし。

スローガイド奄美
~奄美シマ唄ツアー~

  • 鹿児島県奄美市住用町摺勝555-13 わだつみ館
  • 090-7288-5980
  • 9:00〜18:00
  • 不定休
  • ツアー内容で集合場所が異なるため、事前にお問い合わせください。
  • URL
    https://www.amami-guide.com/

世界中で
奄美群島でしか出会えない、
“生きた化石”アマミノクロウサギ

短い耳と手足、茶色や黒褐色の毛で覆われた丸みのあるがっしりとした体型。いわゆるウサギの姿形とは全く異なるユニークな姿のアマミノクロウサギは、奄美大島と徳之島にだけ生息する遺存固有種です。太古の昔に大陸から離れて孤立したことで、島に守られ独自の進化を遂げたアマミノクロウサギは、島の人々にとって大切な存在。

2025年4月には、アマミノクロウサギの保護研究を目的とし、体験型の展示を通して生態や人との共生について楽しく学べる『アマミノクロウサギミュージアムQuru Guru(くるぐる)』が誕生しました。

一時は森林伐採や外来種の捕食による被害、交通事故などで個体数が激減しましたが、現在は様々な保護対策が進められ、個体数も数千単位から1万~4万ほどまで回復。なかでも、2024年に天敵である外来種のマングースを根絶したことが大きな要因となっています。

▲クワズイモの葉陰で休む野生のアマミノクロウサギ。(ナイトツアーにて撮影)
▲案内人は、環境保全や教育プログラムのエキスパートである立山芳輝さん。どんぐりの形をしたライトと、アマミノクロウサギをかたどった入口をくぐると、様々な体験ができる展示が始まります。

様々な仕掛けで
アマミノクロウサギの生活を体感

アマミノクロウサギが進化の形を大きく変えずに生き続けてこられたのは、島の環境が長い間、彼らを守ってきたからだと言われています。入ってすぐにある「くるぐるひろば」では、映像や音声、書籍など様々なコンテンツで太古からの人との関わりを知ることができます。

「くるぐるの森」では、アマミノクロウサギの目線で夜の森を疑似体験。夜間に活動する多種多様な生き物との共存をはじめ、天敵のノネコや人間がもたらすロードキル問題など、リアルな現実を知るきっかけが仕掛けられています。

なんといっても一番の見どころは、実際にアマミノクロウサギに出合えるということ。屋外飼育場の「ひるにわ」では、世界ではじめて巣穴の中にカメラを常設。前足の力が強く爪が発達しているアマミノクロウサギは、奥行き2メートルもの巣穴を掘るのだそう。貴重な巣の中の様子や、子育て中の親子の写真展示に、つい見入ってしまいます。

一方、屋内飼育場の「よるにわ」では昼夜逆転した環境を作り出し、夜間の活発な姿を間近で観察できます。リラックスして活動する様子をゆっくりと見られる貴重な体験。1日を通してアマミノクロウサギの暮らしを体感できるため、生態への理解がぐっと深まります。

▲住処となる森づくりはスタッフみんなで作り上げたそう。好物の植物も欠かせません。

アマミノクロウサギの保全と
共存の拠点となることを願って

施設名「くるぐる」には、2つの意味が込められています。ひとつは奄美の方言で「黒々とした」という意味で、アマミノクロウサギの毛色にちなんだもの。もうひとつは、命がぐるぐると循環し、過去から未来へとつながっていく自然の営みを表しています。

実は、ミュージアムで飼育されているアマミノクロウサギは、交通事故などでケガをして保護された個体です。

「この施設を通して一番伝えたいのは、“人と自然との共生”です」と、立山さんは語ります。

アマミノクロウサギをはじめ、奄美大島の自然を守るために、私たち一人ひとりができることは少なくありません。このミュージアムは、楽しみながら学べるだけでなく、未来へ希望と可能性をつなげてくれる場所でした。

▲施設内にあるミュージアムショップやカフェの売り上げは、アマミノクロウサギの治療や施設運営に活用され、保護活動の支援にもつながります。

アマミノクロウサギミュージアムQuru Guru(くるぐる)

  • 〒894-3104 鹿児島県大島郡大和村思勝502-1
  • 0997-57-1196
  • 9:30〜16:30(最終入館16:00)
  • 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
  • 奄美空港より車で約1時間20分
  • URL
    https://www.vill.yamato.lg.jp/quruguru/

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